| Web Photo Gallery: Beyond The Horizon 世界の素敵な街角からの写真集 地平線の向こうに |
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(エピソード1 ― チュニスに到着)
マグレブの国チュニジアを訪れたのは冬。地中海リゾートとしても名高いポート・エル・カンタウイやスース、そしてモナスティ−ルなどヨーロッパからの観光客には名高い街があるチュニジアだがここは正真正銘イスラム教の国である。空港に降りてどのようなものかとふと辺りを見回してみた。税関にはフランス帰りの若いチュニジア人の女性達がヨーロッパの流行ファッションに身を包んで並んでいる。まるでフランスの田舎の町のローカル線の駅の待合室のようだ。
チュニスに来る前にトルコのイスタンブールに途中立ち寄った。EUに加入を試みている国だというのに、イスラム教の人達が多く暮らす地域では非常に厳格なイスラムの国という印象だった。上からくるぶしが隠れるまで黒ずくめで唯一見えている部分が目だけというサウジアラビアさながらの様子なのである。イスタンブールの街の一部でもそうなのにチュニジアに行ったらどうなるのだろうと多少心配していたが、到着してみればなんてことない。イスラム教の国にあっても首都チュニスやその近郊の地中海リゾートは至ってヨーロッパ的である。チュニスの街ではフランス文化の影響をかなり色濃く残す場所も存在する。フランス通りやフランス門、そして大通りのハビブ・ブルギバ通りには(Ave.Habib Bourguiba)キリスト教の大聖堂やカフェ・ド・パリも存在するのである。一瞬アラブ系住民が多いフランスの地方都市にでも来ているのかと思ってしまった。女性達も年配の人達は頭を布で覆っているものの顔は見えているし、若者に至ってはまったくヨーロッパの服装そのものでジーパンにおなかが見えている女性達もいる。チュニスで上からくるぶしまで黒ずくめの女性にはお目にかからなかった。地中海を隔てた反対側はヨーロッパ。チュニジアはアラブ文化とヨーロッパ文化が融合したような独特の文化の国だ。
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=エピソード2= (チュニスの人々) チュニジアに着いてすぐに気づいたことはチュニジア人が随分と丁寧で親切だということ。税関でも街中でも何か質問するととても丁寧に答えてくれる。私はどこの国を訪れても機会があれば国の様子を知るためにバスや電車に乗ってみることにしている。それが観光客にとって実に不便なものであっても。空港からバスで市内に出てみることにした。と言っても初めて訪れた国で一応念のために車掌さんである女性に何回か行き先を確かめてみた。行き先といっても終点が一番ホテルに近い場所なので間違えることはなさそうだ。 あまり乗客がいないのに気が付いた。乗っているのは数人の観光客と数人の現地の人々だけ。暇をもてあましてか地図を見せて尋ねる私に色々とその車掌の女性が答えてくれた。「バスの終点から15分も歩けばあなたのホテルが見えてくるでしょうから、すぐにわかるわよ。そこら辺で誰に聞いてもすぐにわかるわ」と言う。フランスから来たと言う横に座っていた観光客はもう何回もチュニジアに来ているらしい。このまますぐに電車に乗り換えてスースの近くのモナスティールに行くらしい。 観光地として名高いチュニジアはフランスやイギリス、そして隣国のアラブ諸国からも多くの旅行者が訪れる。冬だと言うのに照りつける太陽は結構眩しい。やっと終点に着いた。色々教えてくれた車掌の女性に「ありがとう」と言ってバスを降りようとすると、「ちょっと待って」とフランス語で言う。何かと思って見ていると終点に交代でやって来た運転手に何かアラビア語で話している。運転手の方はなんとなく乗り気ではないような様子で私の方を一度見た。そしてもう一度その女性に何かを言うと「わかったよ」という感じで対応する。私は一瞬何があったのかわからなかったが彼女が説明してくれた。「乗客は他にいないし時間もちょっと早く着いたから、このバスであなたのホテルまで行ってあげるわよ」とても有難い親切だと思ったが公共のバスである。そんなことをして彼女が首になったら大変だと思い、本当にそんなことをしても大丈夫なのかと聞いてみる。すると後から乗り込んできた運転手が自分は彼女の上司で今回は例外を認めてあげるよと苦笑いをする。なんと親切な人達なのだろう。他の国でも公共のバスでそのようなことを経験していなかったのでびっくりしてしまった。これがチュニジアを訪れた時のこの国の人々の第一印象となったのである。 |
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